日本の敷金・礼金について解説(2026年):退去費用の仕組みと注意点
日本での退去時に発生する予期せぬ請求(敷金・礼金、民法の規定、東京/関西の契約上の落とし穴)を避けましょう。

日本の敷金・礼金について解説(2026年):退去費用 —日本の敷金・礼金について解説
日本で賃貸住宅に住んだことがある人なら、入居費用がいかに高額かご存知でしょう。しかし、本当の痛手は退去時にやって来ます。予想外の原状回復費用、理解できない清掃費用、そして思ったより少額、あるいは全く返ってこない敷金などです。
このガイドでは、従来のアプローチを逆転させます。入居から始めるのではなく、退去時に人々が実際にどのように損失を被るかから始め、そこから逆算して、日本の2020年以降の民法の規定、国土交通省の原状回復ガイドライン、そして東京/関西の契約における「落とし穴」を用いて、どのように自分自身を守るかを示します。
要点:日本では、「原状回復」は「新品にする」という意味ではありません。民法では、借主は通常の損耗や経年劣化については責任を負わないとされていますが、特別条項(特約)や関西の敷引のような地域制度によって、返還額が減額される可能性があります。
礼金・敷金・更新料の違い(日本の礼金・敷金について解説)
日本のアパートの退去時に発生する予期せぬ費用に対抗する前に、英語では混同されやすく、時には日本の不動産広告でも混同されることがある3つの支払いを区別する必要があります。
1)礼金:通常返金不可
東京都の英語版ガイドでは、礼金は契約締結時に家主に支払う一時金と定義されており、返還されない性質のものであるとされています。詳細は、東京都の「家主と借主間の紛争防止のためのガイドライン」(英語版PDF)をご覧ください。
礼金は敷金ではありません。支払った場合は、退去時に返金されることはありません。
2) 敷金(保証金):有効控除額を差し引いた額を返金可能
TMG の英語ガイドでは、保証金とは契約締結時に支払われる金銭であり、未払いの家賃や借主の損害の補填などに充てられ、残額は賃貸契約終了時に返還されると説明されています。(公式の定義: TMG 英語 PDF 。)
言い換えれば、デポジットは「前払いの清掃料金」ではありません。それは担保として預けられるあなたのお金なのです。
3) 契約更新料(更新料):契約更新時に支払う料金
TMG のガイドでは、賃貸借契約更新料は、賃貸借契約の更新時に家主に支払われる金銭であると定義されています。(定義: TMG 英語 PDF )
多くの賃借人が用いる、より広範で分かりやすい定義については、 SUUMOの用語集「更新料」をご覧ください。重要な点は、これは返金されないものであり、契約書に記載されている場合、賃貸借契約を継続するための費用であるということです。
退去時に返金されるものは何ですか?簡単なチェックリスト
- 返金対象(原則):敷金から未払い家賃・諸費用および入居者負担の損害額を差し引いた金額。
- 返金不可:礼金、更新料、多くの「契約管理料」。
- 地域・契約により異なります:清掃料金、定額原状回復条項、関西風の敷引き制度など。
東京 vs 関西の「落とし穴」:敷引・償却(しきびき・しょうきゃく)
関西(大阪・神戸・京都およびその周辺地域)で賃貸物件を借りた場合、 「敷金」の代わりに(または「敷金」に加えて)「保証金」が記載されている場合があります。契約書には「敷引き」や「償却」といった項目が含まれている場合もあります。これらは、家賃を期日通りに支払い、部屋を良好な状態に保っていたとしても、退去時に差し引かれ、返金されない金額です。
「敷金だと思っていたのに…」というよくある誤解の原因です。敷引の仕組み(そして礼金との違い)について詳しくは、 CHINTAIの敷引・償却に関する解説をご覧ください。
2020年民法改正点:敷金返還と通常の損耗
日本の民法改正は2020年4月1日に施行されました。賃借人にとって大きなメリットは、判例に存在していた重要な考え方が民法に直接盛り込まれたことです。東京都は、これらの点を民法改正の概要でまとめています。( 東京都概要ページ)
ルール1:家主は控除後の残りの敷金を返金しなければならない
民法第622条の2に基づき、家主が敷金(広義の意味で)を受け取った場合、家主は借主が賃貸借契約に基づき支払うべき金額を差し引いた残額を返還しなければなりません。正式な英訳は、 日本法令外国語訳(民法)でご覧いただけます。
東京都はまた、この同じ規則を借主にとって交渉しやすい形で説明しています。賃貸借契約の終了時に、家主は未払いの債務を差し引いた残りの敷金を返還しなければなりません。( 東京都民法改正概要)
ルール2:「通常の損耗と経年劣化」は借主の責任ではない
民法第621条は、借主が物件を受け取った後に損害が生じた場合、通常の使用による損耗や経年劣化を除き、賃貸借期間の終了時に原状回復しなければならないと規定しています。( 民法第621条の英語版を参照。)
これは、賃借人が常に耳にする実際的なルールの法的バックボーンです。日焼け、古い壁紙、経年劣化は一般的に家主側の責任ですが、過失や異常な損傷は借主側の責任となります。
「修復」は「新品に戻す」という意味ではない
日本の国家的な枠組みは、国土交通省の「原状回復に係るトラブル防止ガイドライン」(再改訂版)です。このガイドラインでは、物件を新築状態に戻すことではなく、借主の責務である損害を原状回復の対象とすることを明確に定めています。
国土交通省が公表しているQ&Aでも明確に述べられているように、賃貸物件における原状回復は、必ずしも「入居可能な状態に戻す」ということとは限りません。( 国土交通省の原状回復ガイドラインQ&AのQ5の説明を参照。)
2026年になった今でも、なぜこれが重要なのか:不満は現実に起きている
退去時の請求に関する紛争は、珍しいケースではありません。日本の国民生活センターは、清掃・原状回復費用や敷金が返還されないという相談が続いていると報告しています。 PIO-NETの動向データ( 2025年8月1日ページ更新)では、相談件数は12,885件(2022年度) 、 13,273件(2023年度) 、 13,277件(2024年度)となっています。 コクセンの「賃貸住宅の原状回復トラブル」ページをご覧ください。
PIO-NET相談件数(全国): 12,885件(2022年度)→13,273件(2023年度)→13,277件(2024年度)。出典: 国民生活センター。
外国人にとっての地味だが重要な裏ルール:保証人の「限度額」
民法改正では、法人ではなく個人が根保証契約に基づき家賃等のリース債務を保証する場合、保証書に極度額(きょくどがく)を明記しなければ無効となる可能性があるという規定も強化されました。東京都は、民法改正要旨においてこの点を強調しています。( 東京都民法改正要旨)
敷金保護チェックリスト:写真、入居・退去時の検査、特別条項
敷金の争いはほとんどの場合、証拠をめぐる争いです。敷金返還を確保するために最も重要なのは、請求書を受け取った後ではなく、入居初日からの対応です。
ステップ1(入居日):守れる「条件ファイル」を作成する
国土交通省のガイドラインパッケージには、入居時・退去時の状態確認チェックリストのテンプレートとサンプルフォームが含まれており、紛争の軽減に役立てることを推奨しています。公式ダウンロードページ( 国土交通省 原状回復ガイドライン ダウンロードページ)から入手してください。
- 床、壁紙の継ぎ目、窓枠、シンク/バス、クローゼット内部に焦点を当てて、各部屋の写真/ビデオを撮影します。
- 各欠陥のコンテキストとクローズアップ(ワイドショット1枚、クローズアップ1枚)を含めます。
- 既存の問題のリストを書面で管理会社に送信します(タイムスタンプが付けられます)。
- 全て保存してください(メールのスレッド、LINEのスクリーンショット、検査シート、重要事項説明書など)。
便利な日本語フレーズ(コピー&ペースト)
- 入居瑕疵メール件名:入居時のキズ・汚れの共有(○○号室)
- キーセンテンス:滞在中に以下の問題を確認しました。退去時に原状回復費の対象とならないよう、記録として共有します。
ステップ2(署名前): すべての「特別条項」(特約)を丸で囲みます。
国土交通省のQ&Aによると、借主にとって不利な条項がすべて自動的に無効となるわけではありません。ただし、有効とされるためには、その条項が理解され合意され、客観的に合理的であることが一般に求められます。( 国土交通省の原状回復ガイドラインQ&AのQ3を参照。)
簡単に言えば、理解できなかったり気づかなかったり、または非常に一方的な内容で、特にエージェントが説明していなかった場合は、異議を申し立てる価値のある危険信号です。
ステップ3(外国人が見逃す最大の手数料の落とし穴を知る)
- 「敷金なし」は「退去費用なし」を意味しません。東京都は、敷金がない場合でも、借主が自己負担する原状回復費用を支払わなければならない場合があることを明確に警告しています。( 東京都英語PDF )
- 清掃特約:国土交通省は、有効性は、範囲が示されているかどうか、通常の消耗が明らかに含まれているかどうか、および料金が妥当かどうかによって決まると説明しています。( 国土交通省Q&AのQ16。)
- 関西式敷引:契約書に「敷引き/償還」と記載されている場合は、その部分は設計上返金不可として扱われます。契約を確認し、それに応じて実際に返還される金額を計算してください。 ( CHINTAI 敷引・決済)
ステップ4(退去検査日):自分の権利を放棄しない
可能であれば、退去時の立会いに同席してください。その場で係員にサインを求められた場合は、それが何なのか、条件の確認だけなのか、それとも具体的な金額の支払いに同意するものなのかを確認してください。
国土交通省のQ&Aでは、退去確認書は重要ですが、署名したとしても、借主に過失のない損害について賠償責任を負うとは限らないとされています。( 国土交通省Q&AのQ14を参照。)
もう一つの実用的なヒント:ゴミやかさばる物は「退去費用」になる可能性がある
物を残しておくと、処分費用が発生したり、処理が遅れたりする可能性があります。引っ越しなどで日本のゴミのルールに困っている方は、チェックリスト形式のガイドを活用して、後で処分費用を請求されないようにしましょう。日本のゴミの分別ルール(英語版、2026年版)をご覧ください。
高額な請求書を受け取ったら:内訳を尋ねる方法とサポートを受ける場所(東京/大阪)
退去後に高額の請求書を受け取った場合は、最後の決定のように受け止めず、文書化して交渉できる紛争として扱ってください。
ステップ1:書面による内訳(および証拠)を求める
国土交通省のQ&Aは簡潔で、家主には敷金から差し引かれた原状回復費用を説明する義務があり、借主は内訳書と説明を求めることができるとしています。( 国土交通省Q&Aの問17)
コピー&ペーストリクエストテンプレート(丁寧な日本語)
原状回復費用について、内訳(明細)と見積根拠をご提案させていただきます。どの箇所にどのような損失・損害があり、任意・数量・工事内容がわかる資料(写真や見積り書など)も合わせて共有をお願いします。
ステップ2: 国のガイドラインのロジックに照らして料金を確認する
国土交通省の公式ガイドラインを開き、関連するカテゴリー(通常損耗、経年劣化、入居者の過失、減価償却の概念)を探してください。 国土交通省のダウンロードページから始め、入居時の写真を見ながら比較検討しましょう。
また、民法では、借主の原状回復義務は通常の損耗や経年劣化には適用されないことにも留意してください。(民法第621条: 正式訳)
ステップ3:「分割」和解を提案する(明らかに自分の分を支払う)
一部の項目に正当な理由がある場合(例えば、明らかに何かを壊したなど)、その部分の支払いを検討し、残りの部分については異議を申し立てましょう。管理会社に精算書(せいさんしょ)の更新を依頼し、それが敷金の返還にどのような影響を与えるかを確認してください。
ステップ4: ヘルプ(東京/大阪)を入手し、適切にエスカレーションする
全国どこでも:消費者ホットライン「188」
どの窓口に電話すればよいか分からない場合は、消費者庁が運営する消費者ホットライン「188」 (日本語ガイダンス)をご利用ください。最寄りの消費生活センターにつながります。詳細は消費者庁のホームページをご覧ください。
観光客の方で言語サポートが必要な場合は、消費者庁が案内する観光客向け消費者ホットライン(03-5449-0906)の受付時間と対応言語もご確認ください。(同じ消費者庁のページをご覧ください。)
東京:東京都不動産相談窓口(賃貸ホットライン)
東京都の賃貸ホットラインは03-5320-4958で、平日の相談時間と対面相談(予約制)の詳細は都の公式ページ「不動産相談」に掲載されています。
交渉の際に英語で参照できる資料が必要な場合は、東京都の「借家人・家主紛争防止ガイドライン」(英語PDF)をダウンロードしてください。東京都の英語サイトには、東京都外国人相談センター(03-5320-7744)や東京都消費生活総合センター(03-3235-1155)などの関連電話番号も掲載されています。( 東京都の英語アナウンスページをご覧ください。)
大阪:外国人住民相談(多言語対応)
大阪市は、公式の外国人相談ページを公開しています( 2025年10月8日掲載)。相談先、受付時間、対応言語などが記載されています。ここから始めましょう: 大阪市「外国人住民相談」 。
例えば、大阪国際交流センター(電話番号: 06-6773-6533 )の相談窓口がリストアップされており、対応言語(英語、中国語、韓国語、ベトナム語、フィリピン語)や法律相談のスケジュールが示されています。(同じ大阪市のページを参照。)
ステップ5:法的な最終手段が必要な場合は、「少額訴訟」オプションを知っておく
請求額が比較的少額の場合、日本の簡易裁判所の少額訴訟手続きは60万円までの金銭請求に適用できます。最高裁判所は、簡易裁判所手続きの基本について英語で説明しています。 「簡易裁判所手続きに関するQ&A」をご覧ください。
これはほとんどの賃借人にとって最初のステップではありませんが、重要な交渉材料となります。明確な法的根拠を示すことができれば、交渉はより現実的になることが多いからです。
経験則:退去費用について一言で説明できない場合(費用の内容、借主負担の理由、金額の計算方法など)は、内訳を求め、支払う前に民法の「通常の損耗」規定および国土交通省のガイドラインと照らし合わせてください。
FAQ: 日本のアパートの退去費用と敷金(2026年)
礼金は返金されますか?
一般的には不要です。東京都は礼金を家主への一回限りの支払いと定義し、返還されない性質のものとしています。 東京都の英語ガイドライン(PDF)をご覧ください。
家主は通常の損耗に対して費用を請求できますか?
民法では、借主の原状回復義務は通常の使用による損耗や経年劣化には適用されないと規定されています(第621条)。 公式の英語訳をご覧ください。ただし、契約には特別条項が含まれる場合があり、その条項が明確かつ合理的であったかどうかが紛争の焦点となることがよくあります。
「敷引き」とは何ですか?関西で敷金が減ったのはなぜですか?
敷引きとは、退去時に敷金・保証金から事前に取り決めた金額を差し引いて返還しないものです。西日本・関西の契約でよく見られます。 CHINTAIの敷引・解約の説明をご覧ください。
原状回復費用の内訳を請求できますか?
はい、詳細と説明を求めることができます。国土交通省のQ&Aでは、家主には敷金から差し引かれた原状回復費用を説明する義務があり、借主は内訳の提示を求めることができると規定されています。(Q17: 国土交通省ガイドラインQ&A )
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この記事のライター

LO-PAL 創業者
厚生労働省支援の外国人患者受入れ医療コーディネーター、法務の専門家。自らの海外生活経験と医療現場での知見をもとにLO-PALを設立。
※ 一部AIを使用して執筆しています
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